CGMマーケティングのルール
NTTドコモが、CGMマーケティングに失敗し、SNSコミュニティーを撤退。
まずは、CGMマーケティングについて。
CGMマーケティングとはCGMを利用したマーケティング手法。
CGM?と成る方もいらっしゃるでしょうから、CGMを解説。
CGM(”Consumer Generated Media Marketing”)とは、消費者がコンテンツを生成してゆくメディアの事で、BlogやSNSなどがその主流になりつつある。
CGMのコンテンツの広がりが、小さなトラフィックを集め、そのコンテンツ内にプロモーションを行うタイプや、CGMコンテンツそのものを、自社の商品やサービスのレビューや、利用者同士のコミュニケーションの場にすることによるバスマーケティング(口コミ)効果を期待するタイプなどがあり、WEB2.0的なマーケティングとして話題を呼んでいる。
このCGMマーケティングを行ったNTTドコモですが、「プッシュトーク」という自社の携帯電話に新しく備わった機能をより消費者へ理解させるためと、バズマーケティングを期待してのマーケティングだと思われる。
SNSミクシィにて、「プッシュトークです、どーぞっ!」というコミュニティーを開設したのですが、わずか、10日で閉鎖に至っている。
いろいろとやりとりは有ったようですが、結局、コミュニティーでのプロモーションを行おうとした企業側の「管理人(プッシュガールと名乗る)」が、肝心のコミュニケーションに参加せずに、消費者任せにし、消費者からの要望があったにもかかわらず、対話に参加しなかったことが原因の核であると見られる。
この件について、NTTドコモは、
「コミュ内部の話題をプッシュトークに限定したことに対して、批判や揚げ足を取るような発言が相次ぎ、全てに対応することができなくなり、運営が難しくなった。このような状況では、全てのコミュ参加者に満足してもらうことができなくなったため、閉鎖に至った」
と広報部が語っているが、いったい何がしたかったのだろうか?
単純にNTTドコモは、「消費者と真摯に向き合う気がない」とわざわざ晒すためにこのプロモーションを行ったのではないか。
CGMマーケティングは非常に有効な手法で、過去に存在するどのようなマーケティングもこれほど直接的な反応を得、収益に直結させられる手法が有っただろうか?
なにせ、バズマーケティングを意図的に企業が起こせるのですから。
それなのに、なぜこのような結果になるのか・・・
どの企業でも接客を行っている。
そのまま「消費者に”お客様”としての接客をおこなうだけ」ただそれだけです。
例えば、仕事としてパーティーに招かれたとします。(飲み会でもいいですが・・)
そこで、自社の製品やサービスの話になる。
普通にコミュニケーションと接客の中間的な対応をしますよね?
それだけ。
途中、こじれても「失礼しました。○○ですね。」とか、あんまり変な人がいると、周りの人が、失礼な人に対して「君は失礼じゃないか。」と擁護してくれる。
それがコミュニティー。
普通ですよね?
『炎上(コミュニティー内で口論が発生したり荒れたりすること)』が怖いという企業が多くあるのですが、
単純に”接客”する気があれば絶対に企業にとって不利な状況には成らないはずだ。
万が一「炎上」しても、謝れば済む。
消費者を信頼し、共に人間として接していれば撤退などという無様な事はあり得ない。
相変わらず、「上から情報を落とす」的感覚をもってこれからのプロモーションを行っていると、手痛い目にあうでしょう。
個人ブログの炎上→閉鎖についてはどう思われますか?
今のところ私が知っている炎上はブロガーが悪いですが(ブログ上で犯罪自慢など・・・)
タレントがプロモーションの一環としてブログを開設していますが、自身ののうかつな発言の揚げ足を取られ炎上することもあります。
早めに一つ一つに対応していけば、納まるのに・・・と思っていると大抵
無視、削除→さらに炎上→謝罪→閉鎖
確かに、”接客”の気持ちがあれば良いと思いますが、あまりの量に対応しきれないという面もあるかもしれません。
mixi依存症なども読むと、もしかしたら他国のようなblog,SNS活動は日本人には合わないのかもしれないとも思ったりもします。
投稿情報: スギゾウ | 2006年7 月25日 (火) 11:08
コメントありがとうございます。
私は個人のブログと企業のブログ活用ではその習性や意味が違うと考えています。
個人がブログを持つ場合、こそブログ自体がパーソナリティーそのものであり、人格全体を表現している事になってしまう。
企業の場合は、企業イメージなどが先行し、その活動の一部であると意識をせずとも理解されているでしょう。
個人ブログの炎上を消火できないのは、個人そのものは、その人格を変更することや人格を集団で代行することが不可能だから(個人は一人ですから)
しかし企業は違います。
企業は、例えば担当を変更する。担当が複数人数になる。など、パーソナリティーの変更や追加が可能です。
正直言って、SNSなどでバズマーケティングをコントロール使用とした場合、1人でカバーしようというのは”虫がよすぎ”で、接客の基本で言えば、1人の担当者がオーバーフローを起こすと助けが入って接客の列を増やすというのはコンビニでも行うこと。
また、その接客が必要となる量というのは、そのマーケティングの反響を表しているわけだから、その時点で、有る意味「成功」しているわけです。
その「成功」したマーケティング活動に人員を割けないセコさが、このような事態を生むのだと思います。
最後の日本人に向くかどうかという面では、十分に理解して正しい手法を行えば、日本人の方が向いていると思います。
なぜかというと、”炎上”するからです。
感情的にならずに、たんたんと見られては、プロモーションとしては失格なのではないでしょうか?
投稿情報: 岩井迫 | 2006年7 月25日 (火) 15:17