リスクを考えすぎるリスク
私は職業がら「そのビジネスモデルを展開するリスクと価値」を考える事が多い。
この場合のリスクとは、経営上のリスクである。
よく、SEさんとかと話していると「リスクマネージメント」の話になるが、この場合の意味とは違う種類のものになる。
ビジネスは生き物で、投下のタイミングを逃せば十分な効果を生まなかったり、コストが余分にかかり、収益とのバランスが崩れてしまうケースも少なくない。
SEさんとかがよく言うシステムにおけるリスクマネージメントの重要性は理解しているつもりなのですが、時々「???」と思うときがある。
ITは道具であり、システムはその道具の1使い方です。
お店を建てるのに、金づちを振り下ろすリスクや、ショーケースの角でお客様が頭を打つリスクばかりに目を向けすぎると、「お店に集客をかけるタイミングを逃すリスク」が全く見えなくなってしまう。
というかSEさんもこの部分を見る習慣をつけないと、いけないのではないか?
たまにSEさんとお話をしていると、まるで、システム開発のリスクは、ビジネスのリスクより重要であるかのような錯覚をしているのではないか?と思うときがある。
ビジネスのリスクは全てにおいて優先であり、システムはそのビジネスを行なう道具でしかない。
”Take Risk”という言葉が米国にあるそうです。
日本で言う「リスク回避」とは違った意味になるそうで、日本で言うその意味の”Risk Averse Arttitute”「危険回避的態度」は否定的なニュアンスを持っているようです。
”Take Risk”は、「危険を冒す、リスクを負う」と感じ。
リスクと直面し、そのリスクを覚悟しながらポジティブに前進する雰囲気を感じます。
ビジネスモデルのGOサインは”Take Risk”が当然で100%の商売など無い。
その道具に過ぎないシステムの開発に「リスク、リスク」と言って前進しないのは木を見て森を見ない行為と思います。
リスクを考えすぎるリスクが、ビジネスにはある。ということです。
お邪魔します。
5/17のNHK『ためしてガッテン』の振り込め詐欺の回で「人間は
不安や恐怖といったものに対しては頭(理性)では無く体(本能や
感情)が働く。それを悪用し不安や恐怖を煽る事によって『お金を振
り込むしかない』と思いこませるのが振り込め詐欺」といった事を
言っていました。
>リスクを考えすぎる
のではなく「不安や恐怖に突き動かされている」のではないでしょう
か。
投稿情報: ブロガー(志望) | 2006年10 月27日 (金) 22:39
コメントありがとうございます。
>不安や恐怖に突き動かされている
ですね。
よくわかります。
不安や恐怖を感じる位置の問題でしょうか。
本来ならば、提供したシステムがお客様のビジネスの足しにならない「恐怖」を感じるべきだと考えています。
もちろんプロ意識としてというレベルになるのですが、大工さんが災害に過敏で、必要以上に”万が一”を意識しすぎて、”人が住む”事を忘れたら大変な家になるでしょうね。
ただ、”意識しなさすぎ”でも困るのも事実です。
家は住むためにあり、災害に備えるために有る訳じゃありません。
システムはビジネスに役立てるために有り、システムダウンを防ぐために作るわけではありません。
”本末転倒”という言葉がよく似合う話ですよね。
投稿情報: 岩井迫 | 2006年11 月21日 (火) 10:01